【初心者向け】並縫いのやり方と、丁寧に仕上げるコツ

縫い物の始めに覚えるべき、いわば基本中の基本『並縫い』。

このサイトでは、初めての方でも気軽に取り組めるよう、並縫いの基本手順から、仕上げを美しくするコツまでを解説しています。

並縫いはどんな時に使う?

並縫いは、下記の場面でよく使用されます。

  • 縫い目をデザインの一部にしたい時
  • ギャザーを作りたい時
  • 仮縫いやしつけ縫いをする時

では次に、それぞれについて解説したいと思います。

縫い目をデザインの一部にしたい時

縫い目をデザインの一部として活かすことで、洋服や小物などのデザインに独自のアクセントを加えることができます。

並縫いはその美しい直線性と均一性から、装飾的な要素として取り入れられることがあります。

例えば、衿や袖口、ポケットなどの周囲に並縫いを施すことで、アイテム全体の印象を変えることができます。

また、コントラストのある糸や、特殊なステッチパターンを用いることで、さらに個性的なデザインを生み出すことができます。

ギャザーを作りたい時

並縫いは、ギャザーを作る際の基本的な縫い方としても利用されます。

ギャザーを作るためには、生地の一部を寄せて縫いつける必要がありますが、その際に並縫いを使用することで、均等なギャザーを作り出すことができます。

特にスカートやドレスなどのフリルやウエスト部分などにギャザーを入れる場合に、並縫いは非常に役立ちます。

均一なギャザーを作りたい場合には、並縫いをマスターすることが重要です。

仮縫いやしつけ縫いをする時

仮縫いやしつけ縫いは、本縫いをする前に仮の縫いを施すことで、試着や仕上がりの確認、調整を行うための手法です。

この際にも、並縫いがよく使われます。

仮縫いは後で取り外すことが前提なので、並縫いは取り外しやすく、また一時的に生地を固定するのに適しています。

しつけ縫いも同様で、縫い代を内側に折り込んでおく際に、並縫いを使用することがあります。

仮縫いやしつけ縫いを行うことで、最終的な縫製作業をよりスムーズに進めることができます。

並縫いのデメリット

並縫いのデメリットは、以下の2点になります。

  • 縫い目が表と裏の両方に出てしまう
  • 縫い幅を広げると、強度が弱くなる

それぞれのデメリットについて解説したいと思います。

縫い目が表と裏の両方に出てしまう

並縫いの最も大きなデメリットの一つは、縫い目が表と裏の両方に出てしまうことです。

これは特に透ける生地やデリケートな素材の場合に顕著に現れます。

縫い目が表に見えることで、デザインや仕上がりの美しさに影響を与える可能性があります。

また、縫い目が透ける素材では、裏地を使うことでこの問題を解決することができますが、コストや手間がかかることがあるので、注意しましょう。

縫い幅を広げると、強度が弱くなる

並縫いは、比較的簡単で迅速に行える縫い方ですが、縫い幅を広げると、その強度が弱くなるというデメリットがあります。

特に、並縫いで縫った部分に強い引っ張りが加わると、縫い目が破れやすくなるので、注意が必要です。

このため、並縫いだけではなく、場合によっては追加の補強縫いをすることもあります。

また、重い布地や耐久性が求められる素材においては、並縫いだけでは不十分のため、本返し縫い半返し縫いなど、丈夫な縫い方をする必要があります。

並縫いのやり方

ここでは、並縫いの具体的なやり方について詳しく解説します。

半返し縫いの手順は以下の通りです。

1、針に糸を通し、玉結びをする

詳しくは「玉結びのやり方」をご覧ください。

玉結びをする

2、布の裏から針を出す

玉結びが見えないようにするため、布の裏から針を出します。

布の裏から針を出す

3、0.3~0.4cm進んだところに針を刺す

右利きの場合は、左に向けて0.3~0.4cm、左利きの場合は、右に向けて0.3~0.4cm進んだところに針を刺します。

0.3~0.4cm進んだところに針を刺す

4、0.3~0.4cm進んだところから針を出す

右利きの場合は、左に向けて0.3~0.4cm、左利きの場合は、右に向けて0.3~0.4cm進んだところから針を出します。

0.3~0.4cm進んだところから針を出す

5、 3と4を繰り返す

手順3と4を繰り返します。

3と4を繰り返す

6、裏側に玉留めをする

玉止めが見えないように、布の裏で行います。

裏側に玉留めをする

詳しくは「玉止めの縫い方」をご覧ください。

7、並縫いのやり方の動画

以下は、並縫いのやり方の動画になります。

並縫いを上手に行うコツは?

ここでは、並縫いを上手に行うためのポイントを紹介します。

途中で布をしごく

並縫いを上手に行うための一つのポイントは、途中で布をしごくことです。

布をしごくことで、縫い目が均一になり、綺麗な仕上がりにつながります。

布をしごく際には、指で軽く布を整えながら進めると良いでしょう。

布にハリを持たせて縫う

並縫いを行う際には、布にハリを持たせることが重要です。

布にハリを持たせることで、縫いやすく、縫い目も美しく仕上げることができます。

布にハリを持たせるためには、アイロンを使って事前に適切にプレスすることが効果的です。

また、布の伸びやすい方向を考慮して縫うことも大切です。

縫い目を等間隔にする

並縫いを上手に行うためには、縫い目を等間隔にすることが大切です。

縫い目が均等な間隔であれば、仕上がりも美しく、丈夫な縫い目を作ることができます。

縫い目の間隔を一定にするためには、熱で消えるチャコペンなどを使用してマーキングを行い、それに合わせて針を縫い進めるように心がけましょう。

また、縫い目の高さを揃えることで、より綺麗な縫い目に仕上がります。

まとめ

今回は、初心者の方でも安心して取り組める並縫いの基本や、丁寧に仕上げるためのコツをご紹介しました。

並縫いは縫製の基本ですが、慣れない方にとっては最初は少し難しいかもしれません。

しかし、少しずつコツをつかんでいけば、素敵な作品が作れるようになるはずです。

布をしごくことや針の高さを揃えるなど、丁寧な仕上げにはいくつかのポイントがありますが、それらを気軽に覚えていただければと思います。

ぜひこの記事を通じて、縫い物の楽しさを味わってみてください。

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記事の監修者

   石川 由理香
   

石川 由理香

   

刺繍屋ドットコムの店長として、刺繍からワッペンまで全ての製品の制作、監修に携わっている。TBSドラマで使用される衣装や、サザンオールスターズのCDジャケットデザインにも従事

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