縫い物を始めるなら、まず覚えておきたい基本中の基本「三つ折り縫い」。
このサイトでは、初めての方でも楽しく取り組めるように、三つ折り縫いの基本手順から、仕上がりを美しくするためのコツまでを丁寧に解説していきます。
三つ折り縫いはどんな時に使う?
三つ折り縫いは、下記の場面でよく使用されます。
- 洋服の内側の縫い目
- 薄手の生地の端処理
- 子供服やベビー用品
では次に、それぞれについて解説したいと思います。
洋服の内側の縫い目
一つ目は、洋服の内側の縫い目です。
これは特に高級感のある仕上がりを求められる場合や、縫い目が肌に直接触れる場面で用いられます。
三つ折り縫いを使うことで、縫い目が内側に隠れ、見た目が非常にすっきりとし、縫い目自体も丈夫になります。
また、縫い目が見えにくくなるため、洋服の内側の仕上がりが美しくなります。
例えば、シャツの前立てやブラウスの袖口などでよく使用されます。
薄手の生地の端処理
二つ目は、薄手の生地の端処理です。
薄手の生地はほつれやすく、洗濯や使用の際に端がほつれてしまうことが多いため、端処理が重要です。
三つ折り縫いを使用することで、生地の端をしっかりと巻き込んで縫い付けるため、ほつれを防ぎ、耐久性が向上します。
薄手の生地を使用したスカーフ、ブラウス、薄手のスカートなどのアイテムで特に効果的です。
子供服やベビー用品
三つ目は、子供服やベビー用品です。
子供や赤ちゃんの肌は非常に敏感で柔らかいため、縫い目が肌に直接触れると刺激になることがあります。
三つ折り縫いを使用することで、縫い目がしっかりと内側に収まり、肌に直接触れにくくなります。
これにより、肌に優しい仕上がりとなり、赤ちゃんや子供が快適に着用できます。
具体的には、ロンパースやベビー用のドレス、子供用のシャツやパンツなどで頻繁に使用されます。
三つ折り縫いのデメリット
三つ折り縫いのデメリットは、以下の2点になります。
縫い目が厚くなりやすい
特に厚手の生地では、縫い目がかさばりやすいです。
三つ折り縫いは生地を三重に折りたたむため、縫い目がどうしても厚くなります。
特に厚手の生地を使用する場合、この問題は顕著になります。
厚手の生地はもともとボリュームがあるため、三つ折りにすると縫い目がさらに厚くなり、縫い代がかさばってしまいます。
これにより、仕上がりがごわつくことがあり、着用時に不快感を覚えることもあります。
さらに、厚くなった縫い目が服のシルエットに影響を与え、見た目が崩れてしまうこともあります。
事前の準備が多い
アイロンを使った折り目付けやしつけ縫いなど、手間がかかります。
三つ折り縫いを行うには、事前にいくつかの準備作業が必要です。
生地の端をアイロンでしっかりと折り目をつける必要があります。
この工程を怠ると、正確な三つ折りができず、縫い目が不均一になってしまう可能性があります。
三つ折り縫いのやり方
ここでは、基本の三つ折り縫いの具体的なやり方について詳しく解説します。
三つ折り縫いの手順は以下の通りです。
1、立ち幅を1cmの箇所で折り、アイロンをかける
布端から1cmの位置で折り目を付け、アイロンをかけてしっかり折り目をつけます。
![1、立ち幅を1cmの箇所で折り、アイロンをかける](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0932.jpg)
2、2cmのガイド線に合わせて折り、アイロンをかける
次に、さらに1cm内側に折り込み、アイロンをかけます。
![2、2cmのガイド線に合わせて折り、アイロンをかける](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0934.jpg)
3、まち針やしつけ縫いをし、布を抑える
折り目が崩れないように、まち針やしつけ糸で固定します。
![3、まち針やしつけ縫いをし、布を抑える](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0935-2.jpg)
4、端をミシンで真っ直ぐに縫う
布端に沿って、ミシンで真っ直ぐに縫います。
手縫いで行う場合は、なみ縫いかまつり縫いがおすすめです。
![4、端をミシンで真っ直ぐに縫う](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0936.jpg)
5、三つ折り縫いのやり方の動画(ミシンの場合)
以下は、三つ折り縫いのやり方の動画になります。
三つ折り縫いの角の縫い方
ここでは、基本の三つ折り縫いの角の縫い方について詳しく解説します。
三つ折り縫いの角の縫い方の手順は以下の通りです。
1、布端の縦と横に、それぞれ三つ折り縫いの印をつける
布端から1cmと2cmの位置に印をつけます。
これは縦と横の両方に同じように行います。
印をつけることで、正確な位置に折り目をつけやすくなります。
![1、布端の縦と横に、それぞれ三つ折り縫いの印をつける](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0938.jpg)
2、外側の折り線で、布を折る
まず、布端から1cmの位置に沿って布を内側に折ります。
アイロンを使ってしっかりと折り目をつけます。
この折り目が後の工程でのガイドになります。
![2、外側の折り線で、布を折る](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0939.jpg)
3、角の重なった部分は、外側に出す
折り目をつけた後、角の部分が重なって厚くなります。
この重なった部分を外側に出して、折り目が平らになるように調整します。
重なりが多い場合は、内側の布を少し切り取ると良いでしょう。
![3、角の重なった部分は、外側に出す](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0940.jpg)
4、縦横の折り線を合わせるように、布をたたみ直す
次に、縦と横の折り線を合わせるように布をたたみ直します。
これにより、角の部分が綺麗に揃います。
![4、縦横の折り線を合わせるように、布をたたみ直す](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0941.jpg)
5、斜面に対して、直角になるように線を引く
縦横の折り線が揃ったら、角の斜面に対して直角になるように線を引きます。
この線に沿って縫うことで、角の部分がしっかりと固定されます。
![5、斜面に対して、直角になるように線を引く](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0943.jpg)
6、5の線の上を縫う
先ほど引いた線の上を、ミシンで縫います。
![6、斜面に対して、直角になるように線を引いた上を縫う](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0944.jpg)
7、余分な縫い代を切り落とす
縫い終わったら、角に残った余分な縫い代を切り落とします。
このとき、縫い目に近づきすぎないよう注意します。
余分な布を取り除くことで、角がスッキリと仕上がります。
![7、余分な縫い代を切り落とす](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0946.jpg)
8、角を包むように、仕上がり線で折り返す
縫い代を切り落としたら、角を包むように仕上がり線で折り返します。
アイロンを使ってしっかりと折り目をつけます。
これにより、角が綺麗に仕上がります。
![8、角を包むように、仕上がり線で折り返す](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0947.jpg)
9、布の角を、しっかりと引き出す
仕上がり線で折り返した後、布の角をしっかりと引き出します。
角が鋭くなるように形を整えます。
![9、布の角を、しっかりと引き出す](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0948.jpg)
10、折山の際を縫う
最後に、折山の際を縫って固定します。
縫う際は、折り目が崩れないように注意しながら、丁寧に縫います。
これで角の部分がしっかりと固定され、綺麗に仕上がります。
![10、折山の際を縫う](https://shisyuya.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0949.jpg)
11、三つ折り縫いの角の縫い方の動画
以下は、三つ折り縫いの角の縫い方の動画になります。
三つ折り縫いを上手に行うコツは?
ここでは、三つ折り縫いを上手に行うためのポイントを紹介します。
事前にきちんとアイロンをかける
三つ折り縫いでは、布を三回折り込むため、各折り目がしっかりとしていることが重要です。
布端から1cmと2cmの位置で折り、アイロンでしっかりとプレスします。
アイロンをかけることで折り目がくっきりとし、布が滑らず、縫う際に安定します。
布端にミシンをかけ、ほつれを止める
布端を処理するために、ジグザグミシンやオーバーロックミシンを使います。
これにより、布がほつれにくくなり、仕上がりが綺麗になります。
特に薄手の生地やほつれやすい素材の場合、縫う前にほつれを止めておくことで、仕上がりが安定し、縫い目が美しくなります。
まとめ
三つ折り縫いは、見た目も綺麗で強度のある縫い方です。
洋服の内側の縫い目や薄手の生地の端処理に最適です。
コツを掴めば初心者でも丁寧に仕上げることができますので、動画なども参考にし、ぜひ実際に挑戦してみてください。