5分でわかる!上手な半返し縫いを完成させるやり方

半返し縫いとは、裁縫の技法の一つで、布地を繋ぎ合わせる際に使われます。

主にミシンを使わずに、手縫いで丈夫に縫いたい時に使う手法です。

本記事では、初心者の方でも理解しやすいように、半返し縫いの基本的な手法や本返し縫いとの違い、そしてどんな時に使われるか等について解説していきます。

半返し縫いはどんな時に使う?

ここでは、半返し縫いをどのような場面で使うことが多いか、具体的に解説します。

縫い目を目立たせずにしっかり縫いたい時

衣類の裾上げや穴の修復など、目立たない修繕が必要な場合に使用します。

ミシン縫いの代わりに丈夫に縫いたい時

半返し縫いは、ミシンが使えない場合や、手縫いで丈夫な仕上がりを求める場合に有用です。

表側の縫い目は、なみ縫いとほぼ一緒ですが、裏側の縫い目で返し縫いをしているので、丈夫に縫うことができます。

柔軟性を持たせたい布地を縫う時

半返し縫いは、柔らかい素材や伸縮性のある布地を縫う際にも適しています。

例えば、子どもの体操服のゼッケンやニット素材の布、ぬいぐるみを作る場合など、伸縮性が必要だけど丈夫に縫いたいという時に適しています。

半返し縫いと本返し縫いの違いは?

ここでは、半返し縫いと本返し縫いの用途の違いや、特徴について解説します。

本返し縫いの特徴

本返し縫いは、強度が高く、ミシンがなくても丈夫に縫うことができる縫い方です。

そのため、洗濯頻度の高い小物作り(マスク)、バッグやズボンなど、厚手の生地を使用する場合などに活用することができます。

また、服の裾や袖口、布の端など、見える部分の縫い目をきれいに仕上げる際にも使われます。

表面の違い

半返し縫いでは、縫い目の間に少し隙間があり、一見なみ縫いをしているように見えます。

一方、本返し縫いは、表側の縫い目は、ミシンのようにつながって見えます。

半返し縫いと本返し縫いの表面の違いの画像

上 半返し縫いの表側(水色)

下 本返し縫いの表側(赤色)

裏面の違い

半返し縫いも本返し縫いも、裏面では糸が重なっています。

本返し縫いの方が、半返し縫いよりも糸が重なる部分が多いため、頑丈に縫うことができます。

半返し縫いと本返し縫いの裏面の違いの画像

上 半返し縫いの裏面(水色)

下 本返し縫いの裏面(赤色)

半返し縫いのやり方

ここでは、半返し縫いの基本的なやり方について、具体的に説明します。

丈夫に縫う場合は2本どり、その他の場合は一本取りで縫い付けましょう。

半返し縫いの手順は以下の通りです。

1.針に糸を通し、玉結びをする

詳しくは「玉結びのやり方」をご覧ください。

玉結びをする画像

2.糸を裏から出す

始点から布地の裏側に針を通し、糸を表面に出します。

しっかりと引き抜いて、玉結びをした箇所で止まるまで引っ張ります。

糸を裏から出す画像

3.半針戻った位置に針を刺す

糸の出た位置から、少し右側に戻った位置(半針分)に針を刺します。

半針戻った位置に針を刺す画像

4.糸の出ている1針先から針を出す

針を1針分進め、糸の出ている位置から針を出します。

糸の出ている1針先から針を出す画像

5.糸をひく

針を引いて糸を布地に通します。

糸をひく画像

6.2〜4を繰り返す

糸を裏から出して、半針右側に戻った位置に針を刺して、糸の出ている1針先から針を出し、糸を引く作業を繰り返します。

半返し縫いを繰り返している画像

7.玉止めをする

詳しくは「玉止めの縫い方」をご覧ください。

玉留めをしている画像

8.半返し縫いのやり方の動画

以下は、半返し縫いのやり方の動画になります。

半返し縫いを上手に行うコツは?

ここでは、半返し縫いを上手に行うコツについて説明します。

チャコペンで線を引いておく

真っ直ぐに縫いたい場合は、縫うラインを事前にマーキングしておくと、綺麗に仕上がります。

チャコペンは、後できれいに見えるように、水やアイロンの熱で消えるタイプのものがおすすめです。

縫い目は等間隔にする

縫い幅を揃えたい場合は、先程チャコペンで引いた線の上に、3〜4ミリ程度ごとに印をつけると、より綺麗に縫うことができます。

まち針を細かく留める、しつけ縫いを行う

どんな縫い方でも、事前にまち針やしつけ縫いを行うことで、綺麗な仕上がりになります。

より、綺麗に仕上げたい場合は、折り目にアイロンを掛けておくと良いでしょう。

縫い糸を長くしすぎない

半返し縫いは、なみ縫いよりも長めの糸が必要になります。

ですが、あまりに長すぎても、途中で糸が絡まる原因となります。

縫いたい長さの、およそ3倍程度の糸を用意しておきましょう。

まとめ

この記事では、以下のことについて紹介しました。

半返し縫いは、簡単ながらも、しっかりとした補修に役立つ縫い方のひとつです。

ミシンを利用しなくても、簡単にちょっとした補修を行うことができ、大変便利です。

また、布地の素材や厚みに関わらず利用できるため、幅広い用途に活用することができます。

ぜひこの記事を参考にして、半返し縫いでの裁縫を楽しんでください。

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記事の監修者

   石川 由理香
   

石川 由理香

   

刺繍屋ドットコムの店長として、刺繍からワッペンまで全ての製品の制作、監修に携わっている。TBSドラマで使用される衣装や、サザンオールスターズのCDジャケットデザインにも従事

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