主にミシンを使わずに、手縫いで丈夫に縫いたい時に使う手法です。
本記事では、初心者の方でも理解しやすいように、半返し縫いの基本的な手法や本返し縫いとの違い、そしてどんな時に使われるか等について解説していきます。
半返し縫いはどんな時に使う?
ここでは、半返し縫いをどのような場面で使うことが多いか、具体的に解説します。
縫い目を目立たせずにしっかり縫いたい時
衣類の裾上げや穴の修復など、目立たない修繕が必要な場合に使用します。
ミシン縫いの代わりに丈夫に縫いたい時
半返し縫いは、ミシンが使えない場合や、手縫いで丈夫な仕上がりを求める場合に有用です。
表側の縫い目は、なみ縫いとほぼ一緒ですが、裏側の縫い目で返し縫いをしているので、丈夫に縫うことができます。
柔軟性を持たせたい布地を縫う時
半返し縫いは、柔らかい素材や伸縮性のある布地を縫う際にも適しています。
例えば、子どもの体操服のゼッケンやニット素材の布、ぬいぐるみを作る場合など、伸縮性が必要だけど丈夫に縫いたいという時に適しています。
半返し縫いと本返し縫いの違いは?
ここでは、半返し縫いと本返し縫いの用途の違いや、特徴について解説します。
本返し縫いの特徴
本返し縫いは、強度が高く、ミシンがなくても丈夫に縫うことができる縫い方です。
そのため、洗濯頻度の高い小物作り(マスク)、バッグやズボンなど、厚手の生地を使用する場合などに活用することができます。
また、服の裾や袖口、布の端など、見える部分の縫い目をきれいに仕上げる際にも使われます。
表面の違い
半返し縫いでは、縫い目の間に少し隙間があり、一見なみ縫いをしているように見えます。
一方、本返し縫いは、表側の縫い目は、ミシンのようにつながって見えます。
上 半返し縫いの表側(水色)
下 本返し縫いの表側(赤色)
裏面の違い
半返し縫いも本返し縫いも、裏面では糸が重なっています。
本返し縫いの方が、半返し縫いよりも糸が重なる部分が多いため、頑丈に縫うことができます。
上 半返し縫いの裏面(水色)
下 本返し縫いの裏面(赤色)
半返し縫いのやり方
ここでは、半返し縫いの基本的なやり方について、具体的に説明します。
丈夫に縫う場合は2本どり、その他の場合は一本取りで縫い付けましょう。
半返し縫いの手順は以下の通りです。
1.針に糸を通し、玉結びをする
詳しくは「玉結びのやり方」をご覧ください。
2.糸を裏から出す
始点から布地の裏側に針を通し、糸を表面に出します。
しっかりと引き抜いて、玉結びをした箇所で止まるまで引っ張ります。
3.半針戻った位置に針を刺す
糸の出た位置から、少し右側に戻った位置(半針分)に針を刺します。
4.糸の出ている1針先から針を出す
針を1針分進め、糸の出ている位置から針を出します。
5.糸をひく
針を引いて糸を布地に通します。
6.2〜4を繰り返す
糸を裏から出して、半針右側に戻った位置に針を刺して、糸の出ている1針先から針を出し、糸を引く作業を繰り返します。
7.玉止めをする
詳しくは「玉止めの縫い方」をご覧ください。
8.半返し縫いのやり方の動画
以下は、半返し縫いのやり方の動画になります。
半返し縫いを上手に行うコツは?
ここでは、半返し縫いを上手に行うコツについて説明します。
チャコペンで線を引いておく
真っ直ぐに縫いたい場合は、縫うラインを事前にマーキングしておくと、綺麗に仕上がります。
チャコペンは、後できれいに見えるように、水やアイロンの熱で消えるタイプのものがおすすめです。
縫い目は等間隔にする
縫い幅を揃えたい場合は、先程チャコペンで引いた線の上に、3〜4ミリ程度ごとに印をつけると、より綺麗に縫うことができます。
まち針を細かく留める、しつけ縫いを行う
どんな縫い方でも、事前にまち針やしつけ縫いを行うことで、綺麗な仕上がりになります。
より、綺麗に仕上げたい場合は、折り目にアイロンを掛けておくと良いでしょう。
縫い糸を長くしすぎない
半返し縫いは、なみ縫いよりも長めの糸が必要になります。
ですが、あまりに長すぎても、途中で糸が絡まる原因となります。
縫いたい長さの、およそ3倍程度の糸を用意しておきましょう。
まとめ
この記事では、以下のことについて紹介しました。
半返し縫いは、簡単ながらも、しっかりとした補修に役立つ縫い方のひとつです。
ミシンを利用しなくても、簡単にちょっとした補修を行うことができ、大変便利です。
また、布地の素材や厚みに関わらず利用できるため、幅広い用途に活用することができます。
ぜひこの記事を参考にして、半返し縫いでの裁縫を楽しんでください。