「刺繍に挑戦してみたいけど、どうやってやるの?」
「裁縫のように玉止めしていいの?」
刺繍に挑戦したいと思っても、刺し始めの方法だけでもたくさんあってどれがいいのか分からないですよね。
この記事では、刺繡初心者さん向けに必要な道具から刺し始め・刺し終わりの方法を分かりやすく解説します。
この記事はこんな人におすすめ
- 刺繍をはじめてみたいと思っている人
- 刺繍のやり方がわからない人
- リフレッシュできる趣味をみつけたい人
この記事でわかること
- フランス刺繍の刺し始め・刺し終わりの方法
- クロスステッチ刺繍の刺し始め・刺し終わりの方法
- 刺繍のコツ
1針1針刺していく刺繍は、いつの間にか夢中になります。
自然と心が落ち着きリフレッシュできるのも刺繍の魅力です。
この記事を読んで、刺繍に挑戦して充実したひとときを過ごしましょう。
フランス刺繡の始め方
日本でよくみられる刺繍には、「フランス刺繍」と「クロスステッチ刺繍」の2種類があります。
刺繍といえば、一般的にフランス刺繍をさします。
フランス刺繍は「フリーステッチ」とも言い、自由度の高い刺繍です。
いろいろなステッチを使い分けて、刺繍を仕上げます。
フランス刺繡は文字や花、動物、人など、どんな絵柄でも刺繍できます。
刺繍したい図案を描けば、オリジナルな図案の刺繍ができるのもフランス刺繍の魅力です。
フランス刺繍に必要な道具
フランス刺繡に必要な道具は、以下の7つです。
- 刺繍針
- 刺繍糸
- 刺繍枠
- 生地
- ボールペン・鉛筆・チャコペン
- トレーシングペーパー
- 布用複写紙
刺繍に必要な道具は、100円ショップでもそろいます。
刺繍枠はなくても刺繍することはできますが、あった方が刺しやすくなります。
刺繍枠の大きさは、手が小さい方なら8〜10㎝のもの、大きい枠でたくさん練習したいなら、10〜13㎝が扱いやすいです。
はじめてだとどれを買ったらいいのか迷うと思います。
もし購入に迷ったら、初心者キットを購入するのもおすすめです!
フランス刺繍にむいている生地は?
初心者さんは、厚みの少ない木綿やリネン生地で挑戦してみるのがおすすめです。
フランス刺繡は、厚手な生地や薄手の生地でも刺繍できます。
しかし厚手の生地は、針が通りづらくて力も必要なため初心者さんには刺繍しづらいです。
そのため、まずは木綿やリネン生地で刺繍を始めて、慣れたらほかの生地に挑戦するようにしましょう。
フランス刺繍に使う刺繍糸は?
刺繡糸は色や種類が豊富にあるので、作りたい作品に必要な色の糸をそろえましょう。
一般的な刺繍糸は、細い糸が6本集まって一束になっています。
6本の中から、必要な本数を引き抜いて使います。
刺繍糸を引き抜くときは、まとめて引き抜くと絡まってしまうので、必ず1本ずつ引き抜きましょう。
たとえば、3本なら3本束ねて「3本どり」と言います。
1本どり〜6本どりまで、いろいろな太さで刺繍を楽しめます。
刺繡糸の長さは、50〜60㎝に切って使います。
刺繡糸は何度も刺し引きすると、生地とすれて刺繍糸が傷んでしまいます。
刺繍糸が傷まない長さは50~60㎝と言われています。
図案を写す方法
図面を写す方法は、2つあります。
1つめは刺繍したい絵柄を生地に直接自分で描く方法です。
チャコペンを使って、そのまま描くので簡単にできます。
ただ失敗してしまうのが心配な方は、いったん紙に描きトレーシングペーパーを使って写しましょう。
2つめは、トレーシングペーパーを使って写す方法です。
本やネットから作成したい絵柄を選んで、トレーシングペーパーを使って写します。
絵を描くのが得意ではない方でも写すだけなので、心配いりません。
また初心者さんは、お気に入りのデザインの刺繍本を1冊購入するのもおすすめです!
好きなデザインの図案と、その図案に使うステッチが載っているので、初心者さんでもわかりやすく刺繍ができます。
フランス刺繡の刺し始め・刺し終わり【線】
ここでは「線のステッチ」の刺し始め・刺し終わりについて解説します。
「線のステッチ」は、主にアウトステッチ、バックステッチなどがあります。
- アウトステッチ…カーブを描くときによく使うステッチ
- バックステッチ…裁縫の返し縫いと同様な縫い方のステッチ
縫い目にからめる(捨て糸)
まずは縫い目にからめてとめる方法、捨て糸とも言います。
刺し始めから少し離れたところに、表面から針を刺しましょう。
刺し始めの位置に裏面から針を出して、線のステッチをします。
その際、糸は引き切らず10~15㎝残しておきましょう。
線の刺繍が最後まで完成しました。
裏面の縫い目に針を通して、刺繍糸を割るように糸をからめます。
縫い目に糸が2,3回絡んだら、糸を切ります。
刺し始めに残しておいた糸を裏面に引き出して、糸を針に通します。
先ほどと同様に裏面の縫い目に針を通して、刺繍糸を割るように糸をからめます。
縫い目に糸が2,3回からめる絡んだら、糸を切ります。
縫い目にからめる方法の糸始末が完成!
絡めることでしっかりとまり、ほつれにくくなります。
返し縫いをする
返し縫いをする方法です。
図案の刺し始めから少し先から針を出します。
その際、糸がぬけないように気をつけてください。
刺し始めに戻ってひと針縫います。
写真のように、ひと針目で返し縫いができました。
そのまま線のステッチを最後までしていきましょう。
刺し終わりでもう一度針を出します。
糸を割るように返し縫いをします。
刺し始め・刺し終わりの糸をそのまま切ります。
返し縫いをする方法の糸始末が完成!
返し縫いをすることで糸がとまり、玉止めしなくても大丈夫です。
表面が返し縫いによって、やや厚みがでます。
玉結びする
玉結びをするのは初心者さんでも簡単にできて、ほつれにくい糸始末の方法です。
糸の端を玉結びします。
裏面から針を出し、ステッチをしていきます。
刺し終わりを裏面で玉止めします。
糸を切って玉止めする方法の糸始末が完成!
フランス刺繡は玉結びしないことが多いですが、絶対してはいけない訳ではありません。
どうしても裏面がゴロゴロしてしまうので、裏が見えないときなどにおすすめです。
フランス刺繡刺し始め・刺し終わり【面】
次に「面のステッチ」の刺し始め・刺し終わりについて解説します。
「面のステッチ」は、主にサテンステッチ、ロングアンドショートステッチなどがあります。
- サテンステッチ…面を刺繍するのによく使うステッチ
- ロングアンドショートステッチ…長短交互に刺繍するステッチ
縫い目にからめる(捨て糸)
表面にも裏面にも全く響かないので、仕上がりにこだわる方におすすめになります。
刺し始めから少し離れたところに、表面から針を刺します。
刺し始めの位置に裏面から針を出して、面のステッチをしていきます。
その際、糸は引き切らず、10~15㎝残しておくようにしましょう。
最後までステッチ完成しました。
裏面の縫い目に針を通して、刺繍糸を割るように糸をからめます。
ステッチの中に2,3回針を通して、適当なところからだして糸を切ります。
刺し始めに残しておいた糸を裏面に引き出して、針に通します。
裏面の縫い目に針を通して、刺繍糸を割るように糸をからめます。
ステッチの中に2,3回針を通して、適当なところからだして糸を切ります。
縫い目にからめる方法の糸始末が完成!
ステッチでうめる
少し手間ですが、面の糸始末で1番きれいに仕上がるのが、ステッチでうめる方法です。
図案の内側でひと針返し縫いをします。
ひと針返し縫いすることで糸がとまりました。
続いて、刺し始めに針を出します。
軽く引っ張ってみて糸が動かなければ、余分な糸を切ります。
面のステッチをしていきましょう。
縫い終わりは裏面の縫い目に針を通して、刺繍糸を割るように糸をからめます。
ステッチの中に2,3回針を通して、適当なところからだして糸を切ます。
ステッチでうめる方法の糸始末が完成!
縫い始めの返し縫いは、ステッチで隠れるので目立ちません。
玉結びする
面の刺繍でも玉結び・玉止めで糸始末するのは簡単です。
線の刺繍同様で初心者さんにもおすすめの方法になります。
糸の端を玉結びします。
裏面から針を出します。
裏面で玉結びでとまったら、面のステッチをステッチをしていきましょう。
刺し終わりを裏面で玉止めします。
糸を切って玉止めする方法の糸始末が完成!
クロスステッチ刺繡始め方
クロスステッチ刺繡は、初心者さんやお子さんも挑戦しやすい刺繍です。
刺繡糸をクロスするように、専用の布のマス目に沿って刺していきます。
難しいステッチを使い分けることなく、図案通りに『×』を刺します。
クロスステッチ刺繡は同じ刺し方を繰り返すので、整った印象の仕上がりになります。
図案通りにできるので、初心者さんにもおすすめの刺繍です!
必要な道具
クロスステッチ刺繡に必要なものは、以下の4つです。
専用のものがあるので、購入するときは注意しましょう。
- 刺繍糸
- 刺繍針
- 刺繍布
- 刺繍枠(なくてもできるが、あった方が刺しやすい)
クロスステッチ刺繡にむいている布は?
クロスステッチ刺繡は、布の折り目を数えながら刺繍します。
クロスステッチ刺繡では、縦糸と横糸が等間幅の布でなければいけません。
平織の麻や綿、アイーダ・インディアンクロス、ジャバクロスなどがおすすめです。
また初心者さんはまず布のマス目が大きいものから挑戦して、細かいマス目の布にしていくとわかりやすいですよ。
クロスステッチ刺繍では、「カウント」という言葉がでてきます。
カウント数は布目の大きさの単位で、1インチ(2.54㎝)の中に何目あるかを表したものです。
カウント数が小さいと布の1マスが大きくなり、カウント数が大きいと詰まった感じに仕上がります。
クロスステッチ刺繡に使う針は?
クロスステッチ刺繍の針は、刺繍布が割れないように針先が丸いクロス針を使用します。
布や糸の太さによって針の号数を選んで刺します。
販売させているクロスステッチ用針のパッケージに書いてある目安を参考にしてください。
クロスステッチ刺繡の刺し始め・刺し終わり
クロスステッチ刺繡は、玉止めをしません。
なぜなら、クロスステッチ用の布は布目が大きいので玉結びが抜けてしまいます。
玉結びが抜けないように、玉結びの玉を大きくするとボコボコしてしまいます。
クロスステッチの刺し始め
裏面から刺し始めの位置に針を刺します。
その際、引き切らずに裏面に糸を2~3㎝残してください。
最初の何針かを糸の上から刺しとめます。
これでクロスステッチ刺繍の刺し始めの糸がとまります!
ループメソットのやり方
糸を2つに折り、輪を針穴に通します。
裏面に糸(輪)を残した状態で、ひと針刺します。
裏面の輪になっている糸に針を通します。
輪の部分にくぐらせて糸がとまりました。
クロスステッチ刺繡の刺し終わり
最後までステッチ完成しました。
裏面の縫い目に数目くぐらせます。
糸を切ってクロスステッチの糸始末が完成!
刺繍のコツ
最後に刺繍のコツ5つを紹介します。
少し意識して刺すと、初心者さんでも上手に仕上がります!
図案をきれいに写す
図案をあいまいに写すと仕上がりに影響がでます。
図案の太さや位置など正確に写し、刺繍の作業中に消えた線は書き足すようにしましょう。
目の向きを考える
動物なら毛並みを考えたり、キャラクターなら肌のまるみを考えたりして刺繍します。
広い塗りつぶしは、ブロックごとにステッチの目をそろえるように刺繍するといいでしょう。
程よい力加減で引き抜く
刺繍糸を引く力が弱かったり強かったりするとゆがみの原因になります。
程よい力加減で一定に引き抜くように気をつけましょう。
布の上に糸を乗せていくイメージ
初心者さんは糸を引きすぎてしまう方がおおいです。
布の上に糸をのせていくイメージで、ふわっとするように意識してみてください。
糸がねじれていないように気をつける
刺繍糸がねじれているとステッチがきれいに出なかったり絡まってしまったりします。
布に針を刺す前にねじれを直し、真っすぐにしておきます。
気づいたときにこまめにねじれを直すといいです。
まとめ
この記事では、フランス刺繡とクロスステッチ刺繡の刺し始め・刺し終わりについて解説しました。
フランス刺繡とクロスステッチ刺繡どちらもそれぞれの良さがあります。
どちらの刺繍の方が作りたいものに合っているか見極めて、挑戦してみてください!
1針1針刺していく刺繍は、いつの間にか夢中になります。
自然と心が落ち着きリフレッシュできるのも刺繍の魅力です。
刺繍に挑戦して充実したひとときを過ごしましょう。