裁縫を始める方にとって、基本的な技術の一つである「かがり縫い」。
今回は、初めての方でも簡単に取り組めるように、かがり縫いの基本手順から、きれいに仕上げるためのコツまでを詳しく解説していきます。
この記事でわかること
かがり縫いはどんな時に使う?
かがり縫いは、主に以下の場面でよく使用されます。
布端の始末
一つ目は、布端の始末です。 かがり縫いは、布端のほつれを防ぐために非常に効果的です。特に、生地が薄手で傷みやすい場合や、頻繁に洗濯するアイテムの場合に重宝します。
例えば、スカートやパンツの裾、ブラウスの袖口などで使用されることが多いです。
裏地の縫い付け
二つ目は、裏地の縫い付けです。 かがり縫いは、表地と裏地を合わせる際に、目立たないように縫い付けるのに適しています。
具体的には、ジャケットやコートの裏地、スカートの裏地などの縫い付けに使用されます。
縫い代の処理
三つ目は、縫い代の処理です。 縫い代が厚くなりすぎないようにするため、または縫い代が表に響かないようにするために、かがり縫いが用いられます。
特に、厚手の生地を使用した洋服や、フォーマルウェアの縫い代処理によく使われます。
かがり縫いのやり方
ここでは、手縫いによるかがり縫いの基本的なやり方を解説します。
玉結びが布の間にくるように、針を布の間から表に向かって出す。
糸の端に玉結びを作り、布の間に隠して縫い始めます。
針を布の裏に回して、1で出てきた左側5mm程度のところから出す。
次の縫い目を作るため、布の裏から針を通して5mm先の位置へ針を出す。
針を同じように布の裏に回して、5mm進んだところから出す。この作業を繰り返す。
かがり縫いを進めるため、同じ間隔で針を刺して繰り返します。
針を布の裏から刺し、布の間から出して玉留めをする。
最後に針を布の裏に通し、玉留めで縫い目を固定します。
糸端を少し残して切って完成。
縫い終わった糸をカットし、かがり縫いを仕上げます。
参考動画
以下が参考動画になります。
まつり縫いとの違い
かがり縫いとよく比較されるのが「まつり縫い」です。主な違いは以下の通りです。
見た目
かがり縫いは、布の端に小さな斜めの糸が見える特徴があります。これは布端を包むように縫うため、糸が表面に出てきます。
一方、まつり縫いは表側からほとんど糸が見えません。布の裏側で細かく縫い進めるため、表面には小さな点状の糸しか現れません。
用途
かがり縫いは主にほつれ止めに使用されます。
布の端が解けるのを防ぐため、スカートの裾やズボンの股下など、摩擦が多い部分に適しています。また、布と布を合わせる際の仮縫いにも使われます。
一方、まつり縫いは主に裾上げに使用されます。
スカートやズボンの裾、カーテンの端など、見えない部分できれいに仕上げたい箇所に適しています。また、上着の襟や袖口など、表側に縫い目を見せたくない部分にも使用されます。
強度
かがり縫いは一般的に強度があります。
布端を何重にも糸で巻くように縫うため、ほつれにくく耐久性に優れています。特に伸縮性のある布や荷重のかかる部分に適しています。
一方、まつり縫いは見た目を重視するため、かがり縫いほどの強度はありません。
しかし、適切に縫われたまつり縫いは十分な強度を持ち、日常的な使用に耐えます。重要なのは、それぞれの用途に合わせて適切な縫い方を選ぶことです。
難易度
かがり縫いは比較的簡単で、初心者でも習得しやすい技術です。ミシンを使えば更に簡単になります。
一定のリズムで縫い進めれば良いので、慣れれば速く縫うこともできます。
一方、まつり縫いはより高度な技術を要します。布の表面に糸を見せないよう、細かく正確に縫い進める必要があります。
また、布の種類によって針の刺し方や糸の張り具合を調整する必要があり、経験と練習が必要です。
かがり縫いを上手に行うコツ
かがり縫いを美しく仕上げるためのポイントを紹介します。
適切な針と糸を選ぶ
生地の厚さや種類に合わせて、適切な針と糸を選びましょう。薄手の生地には細い針と糸、厚手の生地には太めの針と糸を使用します。
一定の間隔を保つ
きれいな仕上がりにするためには、縫い目の間隔を一定に保つことが重要です。初めは定規を使って印をつけると良いでしょう。
力加減に注意する
縫う際の力加減も重要です。強すぎると布がよれたり、弱すぎるとほつれの原因になります。練習を重ねて、適切な力加減を掴みましょう。
まとめ
かがり縫いは、布端の始末や裏地の縫い付けに適した基本的な縫い方です。
手縫いでもミシンでも可能で、コツを掴めば初心者でもきれいに仕上げることができます。
この記事を参考に、実際に挑戦してみてください。